退職金共済制度の仕組み

Ⅱ.農林漁業団体役職員退職給付金施設(通称:「施設」)

1.概要

(1)
個人別加入契約と団体口加入契約があります。
(2)
「制度」は掛金等について税制上の優遇措置がありますが、「施設」には税法上の優遇措置はありません。
(3)
給付還元利率は変動利率であり、半期毎に見直します。

2.財産形成(個人別加入契約)

(1)
仕組み
役職員毎に決めた掛金額を毎月積み立て、退職時に掛金累積額とそれに付加された利息が給付される、積立貯金型の財産形成制度です。
(2)
加入資格者
役員・職員(臨時・パート職員含む)ともに加入できます。
(3)
掛金
役職員ごとに最低5口(月額掛金500円)で、1口(月額100円)単位で報酬・給与額の範囲内で口数を設定し、退職まで毎月掛金を払い込みます。
掛金は役職員個人が負担し、給与天引きで加入団体が一括して払い込みます。
新規加入や掛金の増額(増口)は随時可能です。ただし、掛金の減額(減口)は、休職の場合など所定の要件を満たした場合に限られます。
(4)
一時払い出し給付
次の要件を満たしていれば、在任(職)中に資金が必要になった場合、払込掛金額の一部もしくは全額を払い出すことができます。
加入期間が2年以上
掛金累積額(1年未満の増口に係る掛金を除く)及び払出し額が50万円以上
退職まで4回を限度として払出し可能
(5)
解約
退職金共済事業ですので、在任(職)中の解約につきましては、払込掛金累積額のみの返戻となります。
(6)
退職給付金
退職給付金は、「一時金」または「年金」として受給することができます。
「年金」として受給する場合は、退職給付金額の全額または一部を年金原資とすることができます。
(7)
税務
受給方法 税務上の取り扱い 備考
一時金 利息相当額が一時所得
  • 給与課税された上で掛金を払い込みいただいていますので、給付金のうち、利息相当額が一時所得として課税対象となります。
  • 一時所得の金額=(利息相当額-控除額(最高50万円))×1/2
年 金 利息相当額が雑所得
  • 利息相当額が年金受給日の属する年における私的年金に係る雑所得となります。

※ 給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超える場合には、確定申告が必要になります。

(8)
一般の財形貯蓄制度との相違点・メリット
有利な利回りにより利息が付加されます。
年齢を問わず年金としても受給することができます。
利息相当額が利子所得(源泉分離課税20.315%)扱いとはなりません。
所定の要件を満たせば、一時払出しができます。

3.団体口加入契約

(1)
仕組み
「制度」や「施設」個人別加入契約は毎月定期的に掛金を払い込みますが、団体口加入契約は、ニーズが発生した都度掛金を払い込みますので、預貯金に類する商品です。ただし、団体口加入契約は退職金共済制度ですので、退職によらない請求は解約となり、利息が付加されないことや、掛金払込み額・給付請求額に制限があるなど、一般的な預貯金とは相違した点もあります。
職員毎に個別管理される「制度」や「施設」個人別加入契約と異なり、加入団体単位で一括管理し、退職給付金は団体口座へ送金されます。
(2)
掛金
全額加入団体が負担します。
退職慰労(退職給付)引当金の範囲内で払い込むことができます。
払込み回数には制限がなく、積立限度額の範囲内で任意に払い込みすることができます。
積立額が積立限度額にあるかを確認させていただくため、年1回の審査依頼(「団体口審査依頼書」の提出)をお願いいたします。
(3)
退職給付金
退任(職)者が発生した場合、当該加入者の退職慰労金額または退職金額の範囲内で退職給付金を請求できます。
特退共等の退職金外部積立制度から支給される給付金額がある場合は、1の金額から当該給付金額を控除した金額が上限となります。
積立金は掛金払込年月の早い契約の順に利息→元本、利息→元本の順に取り崩します。